昨春、私は、生まれて初めて“めまい”なるものに襲われました。
その一週間前ぐらいから、入浴時に、浴槽の縁に首をもたげて左右に動かした際に、一ヶ所だけ軽く痛みを覚えるところがありました。これまでには、なかったことです。
気にはなっていましたが、そのままにしていたある日、浴槽につかりながら、頭を振った直後に、天井が回ったのです。
めまいは数秒でおさまりましたが、初めての経験だったので、大変ショックでした。
翌日、かかりつけの診療所で診てもらいましたが、しばらく様子をみようということで、「メチコバール」を処方してもらいました。
その後、「ぐるぐる」こそありませんでしたが、後ろを振り向いた時などに、頭が「ふわふわ」する症状に襲われました。
たまたま、風邪をこじらせていたので、本当に憂鬱な毎日でした。
書店で「めまい」に関する本を買って読んでみましたが、原因ははっきりしませんでした。
そんな折、夕方、急に気分が悪くなりました。
タクシーで最寄りの救急病院まで行き、脳のCTを撮ってもらいました。
これまで大病をしたこともなく、撮ってもらったと言えば、健康診断の時のレントゲンぐらいでしたから、CTとは言え、正直怖かったです。
しばらく待たされた後、診察室に通され、「梗塞や出血は認められないが、CTだけではわからないこともある」とMRI検査の予約をすすめられました。
「2,3日様子をみよう」と思い、予約はしませんでした。
ところが、その後も症状が改善しないので、他の医院に相談してみました。
そこでは、「検査の設備もないし、不安なら、総合めまいセンターで検査してみますか」と言われました。
「一晩、考えさせてください」と、さすがに即答はできませんでした。
「重い病気でも見つかったら」と葛藤しましたが、不安なままでも憂鬱なので、思い切って検査を受けてみることにしました。
翌日、総合めまいセンターに予約を取ってもらいました。
2週間後、紹介されたセンターを訪ねました。受付のあるフロアーへ入ってみて、驚きました。
老若男女を問わず、順番待ちの患者であふれかえっていたのです。
センターの院長の著書によると「国民の5人に1人がめまいで医師にかかっている」とのことですが、その実態を目のあたりにして、本当にびっくりしました。
「総合センター」の名前のとおり、「脳MR」「脳波」「眼底」「眼圧」「心電図」など一通りの検査を受けました。
検査はのべ一ヶ月にも及びました。なぜなら、先々まで予約が入っていたからです。
実は、初めてめまいに襲われる半年ほど前に「口唇ヘルペス」を患っていたので、「ウイルスのいたずら」ではないかと思っていました。
ちなみに、先生も、前述の著書の中で、「めまいが反復する原因は、ヘルペスウイルスが、その勢力を時々盛り返すから」という説を否定はされていません。
「最終診察」で告げられた結果は、意外にも「咬合不全」でした。つまり、歯の噛み合わせが原因だというわけです。
そう言われると、「顎関節症」も完治していませんし、食事時に「ふわふわ」することも少なくありませんでした。
「重い病気でなかった」ことに安堵する一方で、先生には失礼なのですが、半信半疑でした。
新たに紹介された歯科医院で、改めて診断され、マウスピースで咬合を矯正することになりました。
およそ一年が経過した今でも、似たような症状こそありますが、昨年とは比較にならないほど軽くなっています。
ただ、当分の間、マウスピースのお世話にはなりそうです。